マイクロサミット ニュースレター 11月号

 

 今月のハイライト

 

1. SEMTECH社製40Wワイヤレス給電” LinkCharge 40”を紹介いたします。

2. IEEE 802.11.ah推進協議会とNWERCOMNRC7292を紹介いたします。

 記録的な猛暑に続いた短い秋のあと、一気に冷え込み、インフルエンザの流行が心配な季節を迎えました。皆様も「うがい」「手洗い」などくれぐれもご自愛ください。先日、天気の良い昼さがり、陽の光を受けながら自宅の周りを散歩をしていると、生産緑地にケイトウが満開になっていましたのでご覧ください。

 

1. SEMTECH社製40Wワイヤレス給電” LinkCharge 40”を紹介いたします。

SEMTECH社は米国カリフォルニア州に本社が在る半導体メーカーです。主な製品群として、ESD保護を行うTVS製品、LPWA無線のLoRa製品、ワイヤレス給電製品が有ります。 

今回は、普及拡大が進むワイヤレス給電のソリューションとして、40Wの電力を無線給電可能な ” LinkCharge 40 をご紹介いたします。

 

アプリケーション

・工業用電動工作ツール

・ラップトップ、タブレット

・ドローン

・調理用家電

・ロボット掃除機

・接点またはケーブルで充電している機器

 

 LinkCharge 40”の特徴

40Wまで対応可能なワイヤレス給電ソリューション。

・最大負荷で、85%以上の変換効率。 ・金属などの異物検出機能。

TX(送信側)とRX(受信側)は、以下の通り複数のセムテック社製専用ICにて構成。

TX(送信側)>

TX構成IC      TS30041: 同期式降圧DCDCコンバータ

                      TS61002: フルブリッジFETドライバ

                      TS80003: ワイヤレスチャージコントローラ

                      TS94033: 電流センスアンプ

RX(受信側)>

RX構成IC      TS30041: 同期式降圧DCDCコンバータ

                      TS61002: フルブリッジFETドライバ

                      TS80003: ワイヤレスチャージコントローラ

                      SC508: 46V入力DCDCコントローラ

 

性能

TX/RX無線給電電力:40W          ・使用周波数: 110-105kHz

・互換性: Qi1.2と上位互換           ・変換効率: 85%以上(最大電力時)

TX入力電圧: 24V                   ・異物検出保護

RX出力電圧: 19V/24V             ・最新F/Wで各種スマートフォン対応

15W未満Qi1.2規格準拠、15W以上40W以下は、セムテック独自仕様

 

ICパッケージ 

TS30041: QFN 16pin    3mm x 3mm

TS61002: QFN 28pin    5mm x 5mm

TS80003: QFN 40pin    5mm x 5mm

TS94033: SOT-23          8pin     1.6mm x 2.9mm

SC508:   MLPQ           20pin    3mm x 3mm

 

ご質問・お問い合わせは、マイクロサミット(sales@microsummit.co.jp  松本(マツモト)までお願いします。

 

2. IEEE 802.11.ah推進協議会とNWERCOMNRC7292を紹介いたします。

WiFi Halow (IEEE 802.11.ah )は、「WiFiアライアンス規格」に準拠し、暗号化方式を含めた過去のネットワークの設計資産を有効活用しつつ、「サブギガヘルツの利用」により、「広域 1.5km」かつ「高速 150kbp15Mbps」 の通信を可能とする規格ですが、11/7日本国内での普及促進を目的に、「802.11ah推進協議会」が、56の企業・団体の参加のもと発足いたしました。今後、日本国内での本規格の利用実現に向け、技術検討、実証実験、情報収集、関係機関への働きかけなど普及促進活動が計画されています。

発足式では、現時点で唯一、商用的に入手可能な、同規格準拠のLSINRC7292)の提供者としてNewracom社が紹介され、同協議会と協力し普及促進活動を推進する旨のMOU (覚書)が締結されました。また、協議会発足式および引き続き行われた報道発表の席では、NRC7292搭載の評価ボードを用い、1km相当の伝送路を使用した画像伝送のデモンストレーションが実施され、従来のWiFiLPWA (Low Power Wide Area)規格に対する優位性が改めて確認され、ご好評をいただきました。

 

 

WiFi Halow (IEEE 802.11.ah ) 規格の特徴

WiFiの伝送距離が拡大 (従来のWiFiに比べて約10倍)

・端末からクラウドまでエンドツーエンドでユーザーが自由にネットワーク構築可能

・従来のWiFi同様、IPベースのフルオープンプロトコルを採用

・数Mbps程度のスループットの可能性

 

NRC7292 主要緒元

・規格               IEEE 802.11.ah-2016 

・通信速度         150kbps15Mbps 注)日本国内では制限あり

・周波数帯域      902923MHz (US), 916.5927.5MHz (Japan)

・バンド幅          1MHz/2MHz/4MHz  注)日本国内で利用可能なのは1MHzのみ

Interface          Dedicated SPI and UART interface for Host

・暗号化            AES-CCMP

・電源               3.3V typ.

・消費電流         Rx 30mA@3.3VTx32mA@3.3V, Deep Sleep Mode <20uA 

・プロセス          40nm CMOS

・パッケージ        CABGA, 10x10mm, 268pin

 

アプリケーション:

IoT, センサーネットワーク

・スマートホーム  

・スマート工場

・スマートシティ

・ウェアラブル機器

 

デモでご紹介した評価ボード (EVK-board) やハードウェアおよびソフトウェアのデザインキット (HDK/SDK) も用意されておりますので、次期LPWAソリューションとして、是非ご検討いただけますようお願い致します。

 

ご質問・お問い合わせは、マイクロサミット(sales@microsummit.co.jp 井波(イナミ)までお願い致します。